はっぴいえんどの「春よ来い」について

はっぴいえんどの「春よ来い」。

家さえ飛び出なければ 今頃皆揃って お芽出度うが云えたのに 何処で間違えたのか

俺はこの曲を聴くたびに、住居の一部分が突如飛び出してしまい、実家で年越しすることが叶わなくなった不幸な男の話を想像する。「家が飛び出る」とは具体的にどんな状況なのか。なかなか想像し難いが、恐らくは突然ボコッと、家の中身が飛び出てしまうのである。子供部屋とか、もう部屋ごと。とても危険。
指折り数えて待ちわびたお正月。つつがなく迎えられたはずのその日が、家が飛び出るという不測の事態によってぶち壊しになってしまった。家さえ飛び出なければ・・・。男はどてら姿で恨めしげに、無惨に飛び出した我が家を見上げるのだった。
不条理な世界観がお気に入りの一曲だ。