さらば、おばあちゃんちの台所と浴室

本人の希望で祖母の家の一部を改築することになり、改築部分にあたる台所と浴室が本日完全に消失した。我々も以前から準備を進めており、置いてあった家具やら荷物やらは昨日までに全部運び出していたのだが(生活しながらだったので結局2ヶ月近くかかった)、うーむ。それから一日で本当に更地になってしまうとは。何だか現実じゃないみたいだ。重機パワーあなどりがたし。
家を壊すときは粉塵が凄いので、通常は水を撒きながら作業するそうだ。が、今日は幸いなことに雨模様だったので、作業もサクサク進んだのだった。むーん。でもまあひと思いに壊れてしまった方が何日もかけて壊れていくより良かったのかな。
生まれた時から見慣れていた光景が一日で一変してしまうというのは、何だか昨日と今日の繋がりが悪いと言うか、よく分からないけどとても不思議な感じである。朝起きたら障子の向こうが壁だったなんてどう考えてもホラーだが、現実にそんな状況になっているんだから驚くほかない。台所に続く障子の向こうには板が打ち付けられていて、その向こうは台所も浴室も何もなく単に茶色い地面が広がっているのである。信じ難い。わけわかめだ。でもまあこれで住みやすくなって祖母が長生きしてくれたら俺は嬉しいのでゴネるつもりなんて全くないんだけどやっぱりちょっと寂しい感じはする。
ところで祖母も驚いていたのだが、恐ろしく古くてゴチャゴチャした台所&浴室だったのに、荷物を片づけているときにも重機で壊しているときにもゴキブリ様はただの一度も出現しなかった。死骸すらなかった。要するに一匹もいなかったと言うことなのだが、どうやらマジでコンバットが効いていたらしい。数年前に祖父が亡くなり、祖母は「ゴキブリをやっつけてくれる人がいなくなってしまった」と嘆き悲しみつつ仕方がないのでコンバットを置き始めたらしいのだが、そう言えばそれからパッタリと出なくなった、とのことである。正確にはコンバットじゃなくて「何だか銀色の細長いやつ」だそうだが、ともあれ巣まで撃滅式のゴキブリ駆除剤は本当に効くようだ。おじいちゃんの加護のついたコンバットじゃないと駄目なのかも知れないが、俺も試しに置いてみることにした。年に二回ぐらい見ると言うペースを根絶したい。
それとやっぱりもっと沢山写真撮っとけば良かった。