帰宅に三時間

疲れたので奮発して晩御飯はアボカドバーガーにギネスであった。ごちそうさまでした。1500円でした。高いでした。
のんびりおいしく(一人で孤独に)御飯を食べ終わり、うまい具合に終電と思われる電車に乗り込めたので良かった良かった、でも本当に帰れるかな、どうかな、まあ大丈夫だよな、などと考えながらボーっとしてたら信号機故障かなんかで電車が止まった。まずいなあ、これ終電なのに、乗り換える電車は路線が違うから、遅延があっても待ち合わせなんかしてくれないんだよなあ、うーん、などと考えていたら秘かに別の危機も迫っており、目の前にいた見知らぬ女性が突如しゃがみ込んで嘔吐した。急に気持ち悪くなったらしい。こんな日に限ってカバンの中にはコンビニ袋とか一つも入っていないのだ。不思議だ。急に修羅場だ。非情な俺はその場を立ち去り他の車両に移動した。わりと冷酷だ。ごめん。
そんな事件を挟みつつも程なく電車は走り出し、見事に乗り換えにも成功し、計算してみたら最後の乗り換えに間に合うことも確定して(三回も乗り換えがある)、あー良かった、とホッと胸を撫で下ろしていたら線路内に人が立ち入った。電車が止まった。だんだんとコメディっぽくなってきた。
終電に間に合うのかどうか考えるのが完全に面倒くさくなってきた頃に電車は動きだし、いやー災難だった、あとはもう無事に運んでくれ俺を、家まで、と念じつつ居眠りしようとしたらまたしても電車が止まった。今度は地震だと。危険箇所を確認するとかで結局一時間ぐらい電車は動かず、最後の乗り換え駅に到達する頃には勿論電車など無く、駅のシャッターは完全に閉ざされていた。無情だ。どんな仕打ちなんだこれは。
帰れない。帰れませんよ。と途方に暮れていたら、景気の良いことにJRが代替輸送の請求書を配布しまくっており、それを貰ってタクシーで帰った。運賃は電車賃の20倍以上だったけどJRが全額払うのです。我々も災難だったけどJRも災難だったであろう。そして桶屋に該当するのがタクシー会社であり、彼らは物凄い勢いでフル稼働であった。あやかりたい。
面白かったけど疲れた。二度目は体験したくない。
ところで三日ほど部屋に居座っていた蜂が消えていた。今日は暖かかったから移動する元気が湧いてきたのだろうか。それとも家族の誰かが殺害したのだろうか。どこへ行ったのだろう。何となく寂しい。