「リトルトウキョー殺人課」のDVDが620円だった

友達が「狂った日本観の映画が観たい」と言うので、ドルフ・ラングレン主演の「リトルトウキョー殺人課(ASIN:B0009S8DPW)」を強力に推薦したのですが、推薦しているうちに自分でも強力に観たくなってしまい、勢いあまって紀伊國屋のDVD売り場に突入したところ、何と620円(税込)でソフトが売っていました。もちろん買いました。定価は690円(税込)だそうですが(安すぎる)、紀伊國屋では現在何かのキャンペーン中らしくて更に割引きしてるみたいです。
狂った日本観の映画と言えば「007は二度死ぬ」「ライジング・サン」あたりが定番であり、キワモノ系では「カブキマン」、更には劇場公開すらされなかった大量のキチガイ・ニンジャ・ムービーがビッシリと後に控え、ジャンル映画としてはゾンビ、モンスター、災害、カンフーと並ぶほどの隆盛を誇ってきたわけですが、中でもそれ程トンデモなさすぎず、それでいて心の底から呆然と出来る好バランスの名作と呼ばれるのが「リトルトウキョー殺人課」です。
日本通の刑事と言う設定のドルフ・ラングレンが、相棒のブランドン・リーにファンタジックな知識をひけらかし続けると言う夢に溢れた映画で、日本への妄想が脳から漏れだして遂に具現化してしまったかのような終盤のバトルシーンはまさに悪夢的と言うほかありません。言われてみれば全体を通じてリンチ映画っぽい夢のような感覚に満ちており(ご都合主義をきわめた適当な展開と、いい加減な照明がそうさせているのだと思いますが)、もしかしたら全ては誰かの妄想みたいな映画なのかも知れませんよそんなわけないけど。
リトル・トウキョー殺人課」に限らずアメリカ製の異文化ムービーには変なものが多いのですが、実はアメリカ人が外国人をどう捉えているか知るための格好の資料となるので単なるB級として片付けてしまうのは勿体ないことです。ヴァン・ダム主演の「ストリートファイター(ASIN:B0009J8EG4)」などはアメリカ人の外国人観を完全に表現しきった良質の比較文化映画なので、そういう観点で一回観てみると非常に面白いと思います。「ジャマイカ人=忠義心ゼロの盗人」「ロシア人=間違ったイデオロギーに縛られている可哀想な人々」「マイク・タイソンのことはどうしても嫌いになれない」などなど、アメ公の深遠な精神世界に触れられること請け合いです。