休刊の「NIKITA(ニキータ)」を惜しむ

NIKITAニキータ)」の素晴らしさには、写真家の金村修も反応していたような記憶がある。気になって該当する記事を探してみた。
すると程なく見つかった。「日本カメラ」2006年9月号、249頁。

今月の金村修
最近は「レオン」という雑誌が好きです。最新号は “スケテロシャツで乳リッチ” というリードの文章が気にいりました。前から素晴らしい雑誌だと注目していましたが、ここまで過激なキャツチコピーをつけるようになるとは思いませんでした。姉妹紙の「ニキータ」も好きです。

主に「LEON(レオン)」についての記述だったのは少し残念だが、いずれにせよ金村修に誉められると言うのは凄い。なかなかあることではない。
成金趣味のギトギトした欲望を、「ラテンですから」のポーズで粉飾すると、なぜか焼肉の臭いがする特殊なラグジュアリーが完成することを実験したのは「LEON(レオン)」であるが、それを女性向けに反転させると何が起こるのか、艶女アデージョ)が出る、この怪現象を人類は「NIKITAニキータ)」によって知った。「NIKITAニキータ)」は我々の記憶にとどまるだろう。
創刊以来うっとりし続けている女性誌「MAQUIA(マキア)」は、うっとりのしすぎで疲れてしまったのか、もはや義務的にうっとりしているようにしか見えない。一方で我らが「NIKITAニキータ)」は死ぬまで旺盛に発狂していた。うっとりの文字が段々小さくなっていくのも面白いが、見ていて一番面白いのはやっぱり本当の狂気を感じるものである。「ソトコト」なんかは気持ち悪く狂っていて良いと思います。これらの歯止めのなさは他誌も見習うべきだろう。
今週の「女性セブン」の中吊りは良かった。「昼は幹部社員、夜はいちごパンツ すぐそこにいる変態」。このぐらい気合いを入れてもらわないと電車が退屈です。