25年目のカーネーション「路傍のピクニック」@恵比寿LIQUID ROOM

行ってきた。ここ最近、カーネーションの情報を全く追いきれておらず、このライブも危うく行き逃すところだった。つい先日、友達に教えて貰って、前売券を買おうとしたけど既に売り止めになっていて、結局、当日券で入場することになった。危なかった。カーネーションをめぐる状況に、何だか色々あったらしいことも昨日知ったぐらいで、何とも呑気なことであった。ちなみにアイゴンがゲストであることも現場のチラシで知った。彼がエルマロを脱退したこともその場で知った。色々と追いきれていません。
ライブは素晴らしかった。新譜に合わせたライブも良いけれど、そうじゃないのもまた良いものです。自分は人生における地雷原、いわゆる青春期の全部をカーネーションの音楽とともに過ごしてきた人間なので、彼らの音楽には並々ならぬ思い入れがあり、全ての曲に何らかの、個人的な風景のようなものが、過剰に結びついているのです。それはもう、あったことは勿論、なかったことまで無尽蔵に思い出せるぐらいのものです。10代を遠く離れ、青春期らしきものがどうやら終了し、音楽を聴かなくても死なない程度に精神が鈍麻してくると、色んなことが思い出せなくなり、そのうち自分がどんな人間だったかも思い出せなくなって、いよいよ生活が腐敗してくるわけですが、カーネーションのライブに行くと、なぜだか突然に目が覚める。俺は半分寝ていた、と言うことを急に思い出す。俺はあれだけ大量の感情や憂鬱や思い込みやらを抱えながら、あのデンジャラスな地雷原を右往左往してのけた非常に珍しい人だった、そして今も多分そうだ、と言うことを思い出す。そのようなことを思いながら演奏に聴き入っていた。長年のファンだけじゃなく、誰にでもそう思わせてしまうのがカーネーションの恐ろしいところである。カーネーションの歌には、俺だけが知ってるはずの景色を他人がどうして知っている!と言う驚きが常にある。何なんだろうね。
セットリストなどを残して皆の役に立ちたいけれど、何だか舞い上がっていてあんまり記憶していないので書くことがない。すみません。ひとつだけ、MCで直枝さんが話した「ムサシノ・ブルース」誕生秘話を。高校時代、修学旅行の予算が余ったので山に兎狩りに行くことになり、皆で兎を追ったけど捕まえた兎は業者が引き取って、その後全然関係なくバーベキューをしました(直枝さん) じゃあどうして兎狩りしたの!?(大田さん) わかんない。そんな思い出から作った曲です(直枝さん) とのことで、大田さんも初耳だったそうだけど、俺も当然初耳でした。
矢部さんが、ちょっといつもと違う感じだった。大丈夫かな。