ラブリーボーンを見た

映画の日なので、ピーター・ジャクソンの新作「ラブリーボーン」を見てきた。収入がないので1000円の日は助かる。ひもじい。
14歳の少女、スージー・サーモンがある日突然殺されて、あの世とこの世の間に留まるような、奇妙な体験をする。ネタバレせずにストーリーを紹介するのはどうにも困難そうなので、そういったことは早々と諦めてしまうが、自分にはたいそう面白い映画であった。周囲の反応を見ると半々、という感じであったが、自分は激しく感動し、じゃばじゃばと涙が流れまくり、映画の後半は洗顔のような状態になってしまった。何か特殊な琴線のようなものに触れたのだろう。ただし、一般的に「泣ける映画」かと問われると非常に疑問で、朴訥なCGが陳腐に見えたり、ニューエイジ的な宗教っぽさを感じて気持ち悪く思う人もかなり多いだろう。無理もないと思う。ヒロインは文句なしに可愛いのだけど。
これではあんまりなので、ネタバレにならないギリギリのたとえで映画の内容を紹介しておこう。構造的には、黒沢清「叫」に驚くほど似ている。ほとんどそっくりと言ってもいい。ただし、あらゆる事柄が見事に反転していて、たとえばスタンリー・トゥッチ役所広司とまるで反対のことをしでかし、まるで反対の運命を辿ることになる。そしてスージー・サーモンは、葉月里緒奈とまるで反対の結論に至り、映画から退場していくのだった。泣けた。
関連:映画「叫」公式サイト