「K-1ワールドMAX世界王者対抗戦2004」TV観戦

正直あまり真面目に観なかったのですが、印象に残った試合について感想を少しだけ。

レミギウス・モリカビュチス×安廣一哉

レミギウスのボクシングでもキックでもムエタイでもない、総合格闘技チックなファイトが面白かった。ほとんどゼロに近い距離だけど密着していない、体が隣り合った位置から強打してくる。回るのが苦手な空手家相手だからこそ可能な芸当だったのかもだけど、総合出身ならではと言えばならではと言う感じで、見ていて面白かった。妙な圧力の強さや間合いの詰め方、間合いが詰まってからの戦い方は、オーソドックスな立ち技格闘技のスタイルとはやっぱりどこかが違う。強かったので安廣にとっては不幸だったが、見る側としては興味深い好カードであった。安廣も気迫溢れるナイスファイトだったが若干及ばず。終盤はボクシングをやるのに疲れたらしく、体を開き気味にしてほとんど空手であった。
ブラックマンバ×HAYATO

レイ・セフォーも絶賛!トライアウトで見出された謎のインド人」と言う触れ込みのブラックマンバさんだが、ポッと出にしてはキックボクサーとして洗練されすぎており、インドではある程度の有名人なんじゃないかと邪推した。相手がHAYATOだったのでいまいち真価が分からなかったが、かなり強い選手だと思う。こういうギミックが必要とも思えず、少し不憫だ。ところでブラックマンバについて寸評を入れようとした解説の谷川貞治が、「50億も人間がいるんだから、まだ世界には強い奴がゴロゴロしてますよ!」と言うべきところに、「ごまんといる」と言う表現を口元で混ぜてしまったらしく、
「まだ世界には強い奴がゴロンとしてますよ!」
と口走っていた。心が和やかになった。実に素晴らしい表現だと思う。
アンディ・サワー×武田幸三

アンディ・サワーが強かった。序盤に金的をもらい、ローキックを死ぬほど浴び続け、1R終了間際には足がバカになってる風のスリップも見せた。普通だったら沈没する展開だが、武田が額を切ってるのを見たのが燃料になったようだ。モチベーションは切れなかった。2R開始後まもなく、ここぞのタイミングでキチガイじみた猛ラッシュを開始し、KO。あの長い長い強打の嵐は原理が良く分からない。武田にとっては額を切ったのが運の尽きだった。