大七 生もと純米

日本酒の話。生もと造りの殿堂、大七の生もと純米です。原料米は五百万石、精米歩合65%だそうですが、大七は扁平精米と言う独自の方法で米を削るので、見かけの数字よりも高効率らしい。「生(き)もと造り」とは殺菌用の乳酸添加を行なわず、自然の乳酸菌を利用して(微生物の勝手な遷移を利用して)酒母を育てると言うスパルタンな手法で、手間はかかるけど(しかも一歩間違えると腐造になる)頑健な酵母を作ることが出来るそうです。一般に濃醇で、酸味が厚く、キレの良い酒が出来ると言われている。
開栓直後は「たしかに旨いけど、独特な酸味と後味の切れ方が微妙に気持ち悪いかも」とか思ってたんですが、数日かけてチンタラ飲んでいたら味が若干変わって美味しくなっていた。苦手だと思った人は飲み干さずにしばらく放置しておくと良いかもしれない。香りは控えめで、くんくんと嗅ぐとバナナっぽい吟香がある。味は重厚・濃醇・後味爽やか。ただ独特の乳酸っぽい感じを苦手に思う人はいるかも知れない。大七のホームページに合わせて美味しい料理が列挙してあったけど、ゴマだれのしゃぶしゃぶなんかとはやはり合うだろうと思う。あとマヨネーズっぽいものとか。「生もとと言えば大七」ぐらいのものなんだそうで、一度飲んでみると良いかも知れない。
追記:2週間ぐらいかけて空けたのですが、やはりこれは旨いや。また買いたいです。