節分でした

無職なので寿司屋に昼飯を食べに行ったところ、カウンターにいた初老のオッサンが板前に大量の恵方巻きを作らせていた。孫へのお土産だそうである。何とも誇らしげな様子だったが、途方もない数の多さと巨大さが見るからに気まずく、お母さん達が「おじいちゃんこんなの買ってきちゃったけど今日の晩御飯どうしよう」的難問に直面することは避けられないように見受けられた。切ない。
さて、こうして恵方巻きはバレンタインデーやクリスマスのように日本の「ネオ伝統行事」として定着する礎を固めつつあるわけだが、この件について見逃してならないのは、店頭やテレビ主導で聞いたこともない伝統行事を根付かせることが充分に可能であることが実証されてしまった点だろう。保守派としては一抹の不安を覚えないでもないが、面白いのでどんどんやってもらいたい。「○○県××地方では毎年8月8日になると全裸でコカコーラを一気飲みしながら町中を駆け回る行事が300年以上も前から行なわれており、びっくりするぐらい縁起が良いらしい」などのプロモーションを徹底的に行なうと来年からコーラが飛ぶように売れるに違いない。無理かもしれないがチャレンジして欲しい。
包丁メーカーの働きによってナマハゲが日本全国の子供を泣かせにくる日も遠くはないはずだ。