Stop Motion Studies 電車の中で連続写真

wooolさんの冬眠で知りました。スナップ写真をFLASHで連続的に見せるという趣向です。

アニメーション的な効果と定点観測的な効果が同時に発現している。そして何だか理由の分からない現実感がある。単なる組写真ではこの効果は恐らく出ないし、電車以外でやっても多分面白くない。
この異様に見慣れた感じ、ちょっと違和感を覚えるほどの迫真性は何なのかとしばらく考えてみたところ、電車の中と言う空間はそもそも見慣れやすいものであり、しかもそれを(思いも寄らない方法で)絶妙に再現しているから、と言う結論に取りあえず達した。よくよく思い出してみると、我々が電車の中で取る行動、目にする景色、耳にするサウンド、感じる振動、などなどは、ストップモーションで再現可能なほど)ことごとくミニマルなのだった。あなたが電車の中で見ている風景と、俺が電車の中で見ている風景は、多分驚くほど似ている。しかもそれは際限なく反復する。見飽きるほどに。
複雑であるはずの日常が、ストップモーションと言う抽象性の高い(はずの)手法で、なぜか物凄く具体的に再現されてしまう点に、この試みの面白さは多分ある。手法と表現の相性の妙ですね。ステレオ写真の驚きに、どういうわけだか似ています。残像によるステレオ効果も出ているのだろう。無差別スナップゆえの緊張感も勿論面白く、被写体と目が合うと何だか焦る。
最後に本文の主旨から随分と外れるけれど、

これがゾンビのダンスみたいで好きだった。