PLAYSTATION3を買った

1月末に血迷ってFull HDの液晶テレビを購入し、地上デジタル放送が素晴らしく綺麗なので血迷って本当に良かったぜ、と思う一方、DVDが汚く見えてしまう現象に苦しめられていた。単純に画面が大きいので、SD画質だと絵が荒れてしまうのだ。
ここ数年の間にリリースされた最近の映画のDVDなら全然気にならないんだけど、マスターが古かったりマスタリングが腐っていたりする昔のDVDになると、100回使い回した3倍録画のVHSテープみたいな映像になってしまう。一応、SD映像をHD映像にアップスケーリングできるプレイヤー(PIONEERのDV-600AV)を使ってたんだけど、ソフトが酷いと焼け石に水で、美的にどうのこうの言う前に単純に疲れてしまう。映画を見る気がしなくなる。
ブルーレイが欲しい。でも高い。
ところで聞くところによると、プレステ3はブルーレイの再生が出来る上、DVDのアップスケーリング能力が非常に優秀で、しかも39800円らしい。つまりこれは買いではないか。やりたいゲームが一本も出ていない事実が最後まで足を引っ張ったが、矢沢永吉の生霊らしきものが白目を剥いて「もったいない!もったいない!」と毎晩枕元でブツブツ言うようになったのが流石に堪えて(うそですが)、勢いのついた日に買ってしまった。3月25日のことだった。苦し紛れにゲームも一緒に買ってみたが、こちらはあんまりやっていない。
で、感想であるが、PS3はDVD再生機として非常に素晴らしい。
何が素晴らしいって、まずは動作のレスポンスが吃驚するほど快適なんである。起動は素早く、インターフェイスは軽快で、ゲーム機っぽいまどろっこしさは一切感じさせない。映画に辿り着くまでの所要時間は、前出のDV-600AVよりも早いほどだ。再生は安定していて、どんな無茶な操作にもサクサク応答してくれる。早送りや巻き戻しを小刻みに繰り返しても全く平然としている。普通は無茶な操作をすると、挙動がモタついたり滑ったりするものだけど、そういうものが一切ない。高級機ってこんな感じなのか、と想像させる貫禄の挙動である。早送りは1.5倍〜120倍まであって、1.5倍だと音声が追随する。
さらにリモコンが無線なので、普通のリモコンと違って居場所や方向が全然関係ない。うちはデッキの前に卓袱台やら何やらかなりの障害物があるのだが、ものともしない。とても快適だ。そして何より、アップスケーリングの性能がとても凄い。こりゃとても見られないな、と思っていたDVDが、画質を気にせず見られるレベルになってしまう。驚きだ。
悪評を多々耳にしていた作動音と排熱も、ほとんど気にならなかった。と言うか、全然気にならなかった。とても静かだ。電気代は少し不安だが、39800円バージョンの電気代は1時間あたり2.99円とのこと(wapaさんの資料による)。そんなに高くもないよね。テレビ単体より安い。
full HDのテレビを買っちゃって、スペックを最大限に活用してみたいけどブルーレイ専用機は高くて買えず、それでいて録画機能は別に求めていない人にとって、PS3は最良の選択肢だと思います。良い買い物でした。ただし遊ぶゲームはない。