インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国を見てきた

見てきた。スピルバーグの最新作。詰まらないわけがないので期待して見に行ったが、まあ、面白かった。撮影は今回もヤヌス・カミンスキーで、この二人が組んでいる限りスピルバーグ映画のクオリティは保証されている。フィルム映画の残り火を目に焼き付けたいのなら、ミニシアターに行ってよく分からない映画を眺めるより、スピルバーグの映画を眺める方が数倍効率が良い。
インディ・ジョーンズなので、相変わらず内容は酷い。配慮のない昔の活劇を今さらやってみると言うのが趣旨のシリーズなので、それはもう、自覚的に、かなり滅茶苦茶に酷いのだが、ヒーローが活躍したり、その二代目らしきものがそれなりだったり、黒髪ショートボブのケイト・ブランシェットが麗しかったり、そう言うものを興奮とともにボンヤリと眺めていると、何だか確かに楽しい気持ちになってくるのだった。と言うか、これが楽しくなければ俺は何を楽しいと思えばいいのか、と言うような、強迫観念にも似た雰囲気に気圧されて、結果として何だか楽しい、と言う状態に追い詰められるのだった。個人的には(他が詰まらなかったと言う意味ではなく)、本編と何の関係があるのか分からない導入部がスピルバーグすぎてとても痺れた。
最後に少しネタバレするが、ダラボンの「ミスト」と本作を続けて鑑賞すると、ネタの被り方が非常に不気味である。「ミスト」には原作がある上、「スカルノ王国」も非常に長期にわたって脚本がいじられ続けた映画なので、ネタの同時性について云々言うのはちょっと違うような気もするが、陰謀論者としてはかなり気になった。