横山裕一 ネオ漫画の全記録:「私は時間を描いている」@川崎市民ミュージアムを見てきた

見てきた。行きたい行きたいと願っていて、この度やっと行くことができた。ファンなので、何だか過剰に期待してしまっているなあ、という自覚があり、残念ながら期待を上回るような事態にはならないだろうなあ、などと思いながら現地に赴いたのだが、期待を遙かに上回る充実した内容で、感激した。
横山裕一のことは、「COMIC QUE Vol.100」に掲載された短編で知った。藤子不二雄Aの「毛沢東伝」を極端にしたような作風だが、ほとんど誰にも似ていない。これはすごい、というのが最初の印象で、初見でファンになった。今も同じ印象を持っている。
横山作品の、「景観」と「力学」に全ての関心が注がれているかのようなストイックな画面には、不可解なユーモアと新鮮な驚きがある。作中にあらわれるフォルムや事象は極端にデフォルメされたものばかりで、一見冗談じみているが、作品から目を離して現実の景観に注意を向けると、それが冗談に見えない。我々の世界が驚きに満ちた世界であることを、自動的に再発見してしまう。この感覚は、ちょっと感動する。
お土産に600円のバンダナを2枚買った。落下する鉢植えを男が掴もうとしている場面がプリントされており、かっこいい。