子連れ狼 完結編

週刊ポストに連載中の「新・子連れ狼」の素晴らしさは置いておくとして、昨日からテレビ版の「子連れ狼」が再開した。大五郎の演技は相変わらず果てしなく大根でどうしようもないと思ったが(見た目の可愛さを優先させた作り手の割り切りは理解できる)、北大路欣也もますます相変わらずで、非常に格好がよろしかった。弓を射る姿の漢っぷりなどはレゴラスの比ではない。
北大路の拝一刀は見るからに無敵感あふるる佇まいで、実際アホみたいに無敵なのだが、その一方で何かの拍子に血だらけになって死んじゃいそうな生身の感覚も残しており、俺はそこが気に入っている。その眼差しは力強いを通り越してどちらかと言うとサイコ気味で、頑張ってみたところでやっぱりTV時代劇の域を出ない駆け足な脚本による*1理不尽な行動とか唐突な言動にも意図せず妙な説得力を与えていた。まさに冥府魔道に突入してしまった者ならではのサイコ感なのである。ちゃーん。
で、今回の話はこんな感じであった。

拝一刀は自身の殺害を命じられた柳生烈堂の妾腹・出淵庄兵衛に向かって突然「柳生を捨てろ!」などと言い出すのだが、考えてみれば何だか理不尽な話である。捨てさせる理由が拝の私怨以外に見当たらないからだ。しかし拝の放つ冥府魔道ビームに気押されたのか、庄兵衛さんも「喰代柳生としてではなく、出淵庄兵衛としての武士の道を貫く!」とか言い出してそれを承諾し、そして見事に斬り殺されてしまう。拝に。拝も狂っているが庄兵衛さんも相当おかしいと思う。正直あの場所にいた誰もが意味不明な気持ちになったのではないか。でも格好いいから許せる。みんなも見よう子連れ狼
最後にひとつ、あの妙な挿入歌は間抜けだから止めて貰いたい。あれはヒドい。
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これはすごい。原作を読んでみたくなりますね。

*1:原作と照合すると、かなり上手に纏めてあるらしいのですが。