アンリ・カルティエ・ブレッソン死去 2004-8-3

yoyoyo2004-08-09

数日遅れのニュースになりますが、どういうわけか触れてなかったので。

【パリ=島崎雅夫】「決定的瞬間」という写真美学で知られ、20世紀を代表するフランスの写真家、アンリ・カルティエ・ブレッソン氏が3日、仏南東部のセレストで死去した。家族が4日明らかにした。95歳だった。

ブレッソンは「決定的瞬間(Images a la sauvette/A Decisive Moment)」と言うフレーズで鳴らしたスナップの名手で、スナップなのに完璧な構図完璧に瞬間を切り取り去ると言う超能力の持ち主でした。「完璧な構図のスナップ」と言われても何だそりゃ、と言う感じですが、たとえばこれとかこれとかこれとかこれとかこれとか、これなんか真骨頂ですが(註:現在はリンク切れしています。マグナムフォトのコンテンツのどこかにあることは確実なので、興味が湧いたかたはbressonで検索してみて下さい)、全く何をどうすればこんな写真が撮れるのでしょうねー。これで非演出ノートリミングらしいってんだから本当にワケの分からない話です。更に怖いのはポートレートや群衆写真でもこのレベルで構図を決めてくることで、墓でも荒らして頭骨でも煎じて飲んでみたら俺も写真が上手くなるかしら。ならねえよ。

しかし改めて眺めてみると本当に凄いのですね。ブレッソンも凄いけど、世界ってこんな完璧な光景を沢山抱えて今日もグルグル回ってるんですねーと言う事実も改めて考えてみると何だか凄い。そしてそんな瞬間にしつこく立ち合ってはサクサク切り取りまくっていたブレッソンもやっぱり凄いのです。
これで「マグナム・フォト」設立メンバーは全員涅槃方面に集結したことになります。ご冥福をお祈りします。