「CDの次」を具体的に考え始めている小室哲哉

僕が青春時代を過ごしたような田舎の中学・高校の男子の間で流行るのはハードロックにヘビメタに速弾きギタリストのソロと相場が決まっておりましたので、必然的に小室哲哉は罵声の対象でしかありえませんでした。我々がハードロックやヘビメタや速弾きギタリストの音楽に耳を毒されていた事情を差し引いて考えても、当時の小室哲哉の音楽はやっぱり何だかダサかったため、我々は「何であんな下らない曲がヒットするのか分からない」「スピードのテーマ曲は泣かせる」などと好き勝手なことを言っては悦に入っていたわけですが、

小室:90年代にCDプレーヤーが1億台を超えたとき、CDは飛躍的に伸びると確信しました。だから98年に年間生産実績が約6000億円になりましたね。その時は僕らも相当頑張ってCDを売ってきました。その時はパイが1億台はあるという意識があってのことです。

こうした発言を目にしますと、小室が「売れ線を狙い澄まして狙い通り売り続けていた」ことはいよいよ明白であり、正直私負けましたわ、と言う気持ちに多少ならなくもありませんでした。で、小室は音楽コンテンツの売り方が今後どうなっていこうと、まずは音質がCDの再圧縮というレベルにとどまる限りはCDを乗り越えられるわけがないし、ユーザーだって利便性だけでメディアを乗り換えるには至らないよ、と言うことに完全に気づいており、相変わらず音楽は全く好きになれませんが、業界のリーダーとしての資質と才能は、充分以上のものが、やっぱりありますね。
追記:買いかぶりすぎだったのか、その後貧乏になったと言うニュースがあり、その後何も話を聞かない。どうしたことだ。