今日買ったCD ao「君はひとくせ」他

ao(あお)は空気公団の山崎ゆかりと昔シャーペンだったキマタツトムの二人ユニット。先日1曲だけiTMSで無料DLできるようになってましたが、アルバムとしてはこれが初ですね。楽しみな1枚でした。
空気公団との違いはどうなのかと言うと、空気公団を早朝や深夜の音楽とするならば、aoは昼の音楽と言う感じがします。たとえば空気公団にはオリジン弁当中野店の今夜のおかずが気になる感じが常に漂ってましたが、aoにはそれがない。キマタツトムの分だけ飄々としています。しつこくたとえを使うと、空気公団が学生と受験生しか見ることのできない夜の闇を凝視していたとするならば、aoはドロップアウト寸前の社会人やあてどないアルバイター、無職者だけが見ることのできる穏やかな白昼夢を漂っている、そんな感じです。このポカーンとした感覚は空気公団にはない。音としては比較的「シティポップ」寄りで、バンド感は控えめです。そりゃ二人ユニットだから当たり前と言う気もしますが、多分これらはキマタの資質でしょう。
良質だけど何となく異様、と言うのは山崎ゆかりの強力な才能で、似てると言って比べられがちなユーミンには到底及ばないもののやはり天才だとは思います。枯れているのに親密感があって、非力だけど説得力がある。新しさは全然感じませんでしたし、むしろこの時代にどうしてこんな音なのかと問いつめたくなるような気もしましたが、山崎ゆかりの才能を楽しめるソースが増えるのは無条件に嬉しい。
それとどうでもいいことなのですが帯の宣伝がひどいので見つけたら読んでみてください。