バブルバス

同居人が2袋ほど入浴剤を貰ってきた。風呂水が泡だらけになるタイプのもので、バブなどの慎ましやかな炭酸ガス系の入浴剤とは泡の規模が違う。蛇口からダバダバお湯を出して泡をたてるのが普通らしいが、風呂に入りはじめてから粉を投入したので、お湯につかりながら水面をドボーンドボーンと攻撃しつづけることで泡をたてた。
すぐに泡だらけになった。香りはラズベリーだそうで、水は赤い。泡は白い。まさに工業用排水につかるヘドラのイメージである。
ところで小さい頃は、泡のお風呂というものは、水面だけではなくて全部が泡なのだと、そう思っていたような気が何となくする。それじゃ寒いだろうと思う。姿勢だって安定しないだろう。身体の周りがフワフワしてるだけで、かなり心許ない入浴になるはずである。小さい頃の自分は、もしかしたら、泡がもっと丈夫なものと信じていたのかも知れない。寒さについては思いが至らなかったのだろう。小さい頃に思ってたことを思い出した瞬間って、何となく嬉しいですよね。
泡のお風呂の利点は一体何なのか。特に意味はない、ただ単に面白い、それが一番大事、ということが良く分かった。また、浴槽から出たときに、身体にまとわりついた泡がシュー消えていく感覚は、マッサージというほどではないにせよ、何となく皮膚の表面が快適な感じがして悪くなかった。リラックスである。皮膚表面の毛細血管が元気になるような、そんな気がする。そんなわけないだろうけど。
ただし深夜にドボーンドボーンと大音量でやり続けたので、もしかしたら音が余所に響き渡っていたかも知れない。相変わらず迷惑きわまりない俺だ。