再びトウキョウソナタを見てきた

見てきた。二度目に見て印象的だったのは、ほとんど輻輳する寸前まで詰め込まれているかのように思えたイベントの数々が、実は意外に少ない、という事実であった。夢のような散漫さを湛えながら削ぎ落とされている。端正に見えて異様な贅沢さを誇っている。
自分がやりたいことと周囲に誉めてもらえる要素を両立させることは可能なのか。可能なのだな、と思う。次作か次々作あたり、それがホラーの仕事でなければ、おそらく黒沢はカンヌを征するだろうと思う。