トランスフォーマー/リベンジ@109シネマズ川崎IMAXを見てきた

109シネマズ川崎に新しくできたIMAXシアターで、「トランスフォーマー:リベンジ」を見てきた。「より激しく!より低脳に!」というマイケル・ベイの魂の叫びが全編に響きわたる2時間35分。話をすっ飛ばしすぎて編集がおかしくなっているシーンや、風呂敷だけ広げて何も起こらないエピソードが、漫然と見ていてもかなり目についたが、作り手のほうに気にしている様子がない。たぶん気にするのが間違いなのだろう。
ロボットがガチャガチャと変形し、シャイア・ラブーフがアホ面をかましミーガン・フォックスが唇に異常な光沢をたたえながら右往左往し(あれがセクシーなのだとしたら、アメリカ女性は油そばを食いながらバイクにまたがっていればモテモテだ)、ジョン・タトゥーロがひたすらにイキイキしている、それ以上のものがスクリーンに映写されることは一秒たりともないが、前作をそれなりに楽しめた人は、今回も恐らくそれを見に行くのだろうから、失望することはないだろう。自分も大いに楽しみました。
「確固たる(しかも少しも根拠のない)信念によってなされた好戦的な当てずっぽうは、必ず正しい結果に辿り着く」というマイケル・ベイ的世界観は、ハリウッド産アクション映画のマッチョ・サイドを端的に代表するものであるが、この世界観が暗に示すのは「若者は兵隊に志願して勇ましく戦うとカッコいいかもよ!たぶん死なないし!」という洗脳なのかも知れず、すると色々な意味で巧妙に搾取的である。オバマがシェルターに避難しているあいだ、マイケル・ベイ的な兵士たちはカッコよく戦闘しているのだ!日本人である自分にはあんまり分からないが、アメリカ人がこういうのを見ると、脳の筋肉が分泌しているマッチョ成分の産生バランスが著しく変化したりするのかも知れない。大変な国ですね。
IMAXのスクリーンは心配していたより大きくて良かった。どう考えても無理があるように思えた客席の傾斜も、相当に注意深く設計したのだろう、充分に確保できていた。最前列の人の頭がスクリーンに若干かかる場合もあったが、スクリーンが巨大なのでそちらに目がいかない。まったく気にならなかった。音響も素晴らしい。既存館の改修でここまでできるなら、万々歳だと思う。ただし、品川、新宿レベルを期待しすぎると失望するかも知れない。
こちらに座席表があるが(→PDF)、B列〜D列の全席、E列の1〜8、29〜36はお客さんを入れていなかった。したがってE列11〜27が最前列となる。一般的にはI列〜L列の中央が見やすいのだろうと思うが、IMAX的な大迫力を体験したい人には、E列〜H列の16〜21ぐらいまでを強くお勧めしたい感じだ。近さは案外苦にならない。というか、自分が映像に落下していくかのようなIMAXならではの迫力が得られ、むしろ楽しいと思う。本日の「トランスフォーマー」は、かなり前のほうの、通路際(外側)の席から鑑賞したのだが、これより左右に寄ってしまうと結構見づらいかも、と思った。
それにしても、やっぱりIMAXは素晴らしい。東宝や松竹の映画館も追随してほしいなあ。
帰り道は電車に乗りながら、ビルやら看板が忙しくトランスフォームして大戦争を開始する光景を妄想して楽しんだ。映画の醍醐味はこれだ。